夢幻のブラッド・ルーラー 第十一話:ガルダー教国の聖剣伝説①

「聖剣……ですか……」

「多分、十中八九間違いないだろうね」

 タダを含めた八人の僕の手足となるべきメンバーが僕の部屋に集まっていた。

 まだ地下牢に囚われていた頃の影響の抜けないメンバーもいる。血色の悪いメンバーもいるし、足を引きずっているメンバーもいる。だが、その眼には生きる意志があった。
 流石に心が死んでいる者を操るのは難しい。機械的に動く人間なんて僕にはいらない。感情は時に爆発的な力を生む。魔物使いだった僕がよく知っている事だった。

 タダ達、囚われていた集団は僕がこの地に来て手に入れた第一の武器と呼べるだろう。
 クルススは交互に行った質問で僕のスキルなんぞ聞かずに、僕の武器について聞くべきだった。あるいは――オープンブラッドで表示された性格を聞かれていたら、誤解を解くのに多大なる苦労がかかっていた所だろう。

 だが聞かれなかった。人はそれをきっとそれを運命と呼ぶ。

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夢幻のブラッド・ルーラー 第十話:聖女クルスス③

 クルススが唖然とした視線を僕に向ける。
 そのまま数秒固まっていたが、やがて何を言われたのか理解したのか、顔を真っ赤にして言った。

「……ふざけているのですか?」

「僕は本気だよ。答えて欲しい。もしそれをクルススが答えてもいいと思ったなら、ね」

 僕の眼を見て、クルススが唇を噛む。
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夢幻のブラッド・ルーラー 第九話:聖女クルスス②

 聖勇者、ダムド・セレオンの仲間。クルスス・ガルダー。

 まだ出会って日が浅いし、会話も二言三言しか交わしていないが、その数日でわかったその性格を言い表すとするのならば――芯が強く冷静沈着と言える。
 気丈であり、真面目であり、拷問を受けてすら何も話さない程に精神が強いが反面、こういうタイプはかなり絡め手に弱く、僕と相性がいい。

 誠実な性格の人間は、誠意を持って対応すれば必ず応じてくれる。
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夢幻のブラッド・ルーラー 第八話:聖女クルスス①

 不幸中の幸いがあれば幸い中の不幸もある。
 僕にとって幸いだったのはこの未知の世界に召喚された事それ自体であり、不幸だったのが付与されたスキルが僕のスタンスにミスマッチだった点だ。

  |恐慌の邪眼《ルーラー・オブ・ブラッド》 

 タダの知っている所によると、視線に恐怖を付与相手の動きを縛るスキルらしい。
 恐怖。とても有用な道具であり、そしてとても扱いづらい道具でもある。僕は今まで多くの探索を行ってきたが、恐怖を全面利用した事は殆どない。何故ならばそれは、切れすぎる刃であるためだ。

 まぁ簡単に言うと、僕はまだまだ未熟なので、恐怖を扱いきれないのである。

 だから、今回も……いざという時以外は使わないつもりだった。
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夢幻のブラッド・ルーラー 第七話:暗黒よりの支配者②

「おかしくない? これおかしいよね?」

「貴様……何故私のところに来るのだ! いい加減にしろッ!」

 ハインドがヘルムの隙間から輝く深紅の双眸を僕に向ける。
 
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