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#0 終末の唄

「貴方は近いうちに死にます」

 唐突に僕の部屋に現れたその少女は厳かな表情でそう宣言した。

「ああ……とうとうその時が来たのか」

 その唐突な宣言に、僕は悲しみも怒りも覚えなかった。ただ、ああそうなのかと、自分の運命が、実感としてすとんと入ってきただけだった。自分でも驚くべき事に。

 思えば僕は生まれてから今までその時を待っていたのかもしれない。

 この世のものとは思えない美しい少女だった。頭をすっぽり隠す漆黒のローブに、その奥にシンシンと輝く深紫の瞳。その表情は、人間の顔はこのような表情をする事もできたのか、と思えるような『無』の表情。
 並大抵の事では驚かないと自負している僕を持ってさえ感情を動かさずにいられないそのオーラは正しく『人』の領域を逸脱しているように見えた。

「名を教えてくれるか?」

「リリィ」

「そうか、僕の名前はハインだ。多分短い間になるだろうがよろしく頼む」

 僕は時が止まったかのように動かないリリィの右腕を強引に取って、しっかりと握手をした。
 その手はこの物騒な時代にもかかわらず、まるで今『発生』したばかりであるかのように、傷ひとつなく何かの拍子に粉々になってしまいそうな程華奢だった。
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